杉の井穂濤の流儀

「杉の井穂濤が考える金沢の料亭」

現在、金沢には十三軒の料亭が残り、今日も国内外のお客様を、金沢の美意識が色濃く宿る空間とおもてなしでお迎えしています。
幸いにして金沢は、戦火や大災害に見舞われなかったため、古き良き街並みがそのまま残る、全国でも数少ない街です。加賀百万石の歴史の中で花開いた料亭文化が今なお息づくのは、その伝統を残したいと願う街の方々のご理解・ご支援の賜物でもあります。
当亭もその一軒でございます。「杉の井穂濤」をかたちづくり、支えているのは、大工や左官、植木、表具、瓦、石、板金などの十五名の金沢職人の方々。杉の井穂濤の美を表現するために不可欠な存在です。

お料理を手がける板前も料亭の要となる職人の一人です。昔から受け継がれる伝統も守りつつ、新しい時代の趣向を踏まえた御献立に心を砕きます。
金沢は、海の幸、山の幸、里の幸と、季節の新鮮な食材に恵まれています。旬の美味なる素材を吟味し、その滋味を存分に活かした料理の数々は、濃淡のある流れと絶妙な間合いで供しております。
その彩りと味わいを引き立てる、美しきうつわももう一つの魅力。繊細な手仕事が光る、美術工芸品や骨董品などに出合えるのも金沢ならではです。

大小六室ある御座敷からは、青々と苔むした庭園が愛でられ、季節の移ろいが感じられます。御部屋には、二十四節気にちなみ、また宴席の趣旨に合わせ、床の間に合わせる掛け軸やお花、花器にいたるまで、当日のお客様に思いを巡らせ、お支度いたしております。

料理、建築、うつわ、調度品など、日本の贅を五感で堪能していただけるのが杉の井穂濤の流儀です。しばし日常を忘れ、寛ぎのひとときを心ゆくまでお過ごしいただければ幸いです。

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